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フランチャイズとは?意味・仕組みを図解レベルで解説|
本部と加盟店の役割・契約の注意点まで
フランチャイズとは、本部が持つ商標やノウハウを加盟店が対価を支払って利用し、統一されたチェーンとして事業を展開する仕組みです。読み進めるうえでの要点を先に整理します。
- 本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)は法律的に独立した事業者同士である
- 加盟店は加盟金・保証金・ロイヤリティなどを支払い、経営指導と商標使用権を得る
- 契約前には法定開示書面や独占禁止法上のガイドラインの確認が欠かせない
- 売上予測・違約金・競業避止義務など契約条項の確認が失敗回避の鍵になる
●目次
統一的な事業展開であるフランチャイズ
フランチャイズの定義
フランチャイザーとフランチャイジー
公正取引委員会による定義
フランチャイズの仕組み
本部が提供するもの・加盟店が支払うもの
加盟金・保証金・ロイヤリティの内訳
ロイヤリティの算定方式
本部と加盟店の役割分担
本部(フランチャイザー)の役割と責任
加盟店(フランチャイジー)の役割と責任
独立した事業者同士という関係性
直営店・ボランタリーチェーンとの違い
直営店・レギュラーチェーンとの比較
ボランタリーチェーンとの比較
フランチャイズのメリットとデメリット
本部側のメリット・デメリット
加盟店側のメリット・デメリット
契約前に押さえる法律と情報開示
中小小売商業振興法と法定開示書面
独占禁止法とフランチャイズ・ガイドライン
統一的な事業展開であるフランチャイズ
- フランチャイズの定義
フランチャイズとは、本部と加盟店が契約を結び、統一的な事業を展開する仕組みです。
本部が加盟者に特定の商標や商号を使用する権利を与えるとともに、加盟者の物品販売やサービス提供その他の事業・経営について、統一的な方法で統制・指導・援助を行い、その対価として加盟者が本部に金銭を支払う事業形態を指します(参照*1)。フランチャイズ契約は、こうした一連の内容を含む統一的な契約として結ばれます。
つまり、単なる看板の貸し出しではなく、ブランド・ノウハウ・仕組み一式を提供する契約関係だという点が特徴です(参照*2)。フランチャイズを「商標+ノウハウ+対価」という三点で捉えると、全体像を整理しやすくなります。
- フランチャイザーとフランチャイジー
フランチャイズには、本部と加盟店という2つの立場があります。
本部はフランチャイザー、加盟店はフランチャイジーと呼ばれ、加盟店はチェーンに加盟することで、そのチェーンが持つ集客力・信用力を利用し、本部が構築したノウハウを活用できます。本部側は、加盟店から商標やノウハウの対価であるロイヤリティを得るとともに、短時間での店舗展開が可能になります(参照*3)。
また、本部が持つブランド・ノウハウ・仕組みを加盟店が利用し、チェーンとして統一的にビジネスを展開する構造であり、本部はその対価として加盟金やロイヤリティを受け取ります(参照*2)。加盟を検討する立場では、両者の役割が対価と提供物のやり取りで成り立っている点を押さえる必要があります。
- 公正取引委員会による定義
公的なガイドラインでは、加盟店が本部から独立した事業者である点が示されています。
公正取引委員会のガイドラインは、本部と加盟店が、あたかも通常の企業における本店と支店のような外観で事業を行う場合が多いものの、加盟店は法律的には本部から独立した事業者であり、本部と加盟者の取引には独占禁止法が適用されます(参照*4)。
この位置付けは、看板や店舗の見た目が同一であっても、経営責任は加盟店自身が負うことを理解するうえで重要です。加盟希望者は、独立した事業者としての判断責任と、独占禁止法という法的枠組みの両方が関わる関係であると理解しておく必要があります。
フランチャイズの仕組み
- 本部が提供するもの・加盟店が支払うもの
フランチャイズの仕組みは、提供と対価の交換によって成り立ちます。
フランチャイズ・システムでは、商標(チェーン名)の使用許諾をはじめ、商品やサービスの販売権をチェーン本部が加盟店に与え、商品の供給、販売や経営などのノウハウの提供・指導を行います。加盟店はこの見返りとして、加盟するときには加盟料、加盟後にはロイヤリティを対価として本部に支払います(参照*5)。
つまり、本部側は再現性のあるビジネスモデル一式を渡し、加盟店側はその使用権と支援に対して金銭を支払う関係です。加盟を検討するときは、何を受け取り、何を支払うのかをリスト化して契約書と突き合わせる作業が欠かせません。
- 加盟金・保証金・ロイヤリティの内訳
加盟店が支払う金銭は、複数の項目に分かれています。
代表的な費目としては、契約時に一括で支払う加盟金(イニシャルフィー)が例として100〜300万円、契約終了時に返還される保証金が例として100万円、ロイヤリティが売上高の一定割合(例として3〜10%)または定額(例として月額10万円)、広告分担金が売上の一定割合(例として1〜3%)、本部研修の参加費用である研修費が例として初期研修50万円といった構成が挙げられています(参照*6)。
これらは初期投資と継続的な負担に分かれるため、開業時のキャッシュアウトと、月々の固定的・変動的コストを分けて確認する視点が重要です。広告分担金や研修費も、契約書に記載された算定根拠まで確認しておく必要があります。
- ロイヤリティの算定方式
本部と加盟店の役割分担
- 本部(フランチャイザー)の役割と責任
本部は、チェーン全体の設計者としての役割を担います。
本部は、自社が開発したビジネスモデルを加盟店に提供し、統一されたチェーンオペレーションを構築する企業であり、法的には加盟店との間で継続的な契約関係を維持し、ブランド価値の維持・向上に努める義務があります。本部の主な権利として、商標権の保護、加盟店の営業活動に対する指導・監督権、契約違反時の解除権があり、同時に、加盟店に対する情報提供義務、適正な経営指導を行う義務、不当な制限を課してはならない義務を負います(参照*7)。
つまり本部の責任は、「ブランドを守る権利」と「加盟店を支える義務」の両面で成り立っています。加盟希望者は、指導体制やスーパーバイザーの巡回頻度など、実際の運用が契約上の内容に見合っているかを事前に確認しておく必要があります。
- 加盟店(フランチャイジー)の役割と責任
加盟店は、現場で事業を運営する主体です。
加盟店は、本部から商標使用権やノウハウの提供を受けてビジネスを運営する事業者であり、法的には独立した事業主でありながら、本部との継続的な契約関係の下で事業を行うという特殊な地位にあります。主な権利として、商標使用権、営業地域の保護、本部からの経営指導を受ける権利があり、一方で、ロイヤリティの支払い、営業方針の遵守、競業避止義務の履行などの義務を負います(参照*7)。
加盟店は自らの資本と労力で店舗を運営しつつ、統一ルールに従う必要があります。したがって、権利と義務の両面を契約書レベルで理解したうえで、経営判断の裁量範囲を事前に確認しておくことが実務上の要点です。
- 独立した事業者同士という関係性
本部と加盟店の関係は、独立性と協力の両面を持ちます。
FC本部と加盟店は、法律上は独立した事業者同士ですが、ビジネスとしては「運命共同体」に近い関係です。本部はブランド・ノウハウ・仕組み・サポートを提供してロイヤリティ収入を得て、加盟店は設備投資・人件費・運営リスクを負担し、日々の売上から利益を得ます。この役割分担がうまく設計されていないと、どちらか一方に過度な負荷がかかり、長期的なチェーン運営は破綻します(参照*2)。
独立した事業者としての責任と、チェーンの一員としての協調のバランスが、加盟後の運営を左右します。
直営店・ボランタリーチェーンとの違い
- 直営店・レギュラーチェーンとの比較
フランチャイズは、直営中心の仕組みや類似制度とは構造が異なります。
類似する仕組みとして、のれん分け、代理店、ライセンスといった形態があり、フランチャイズはブランド+ノウハウ+運営スキーム一式の提供、のれん分けは社員独立・身内を中心とした密な関係性、代理店制度は商品・サービスの販売窓口としての機能が中心、ライセンスは技術・ノウハウ・コンテンツなどの使用許諾が中心です(参照*2)。
直営を軸とするチェーンでは本部が全店舗の資本を握るため、統制は強くなる一方で拡大に時間がかかります。フランチャイズを選ぶ意味は、加盟店の資本を活用して展開速度を上げつつ、統一運営を保つ点にあります。
- ボランタリーチェーンとの比較
ボランタリーチェーンは、フランチャイズとは意思決定の構造が異なります。
ボランタリーチェーンとは、資本関係や強い上下関係を持たず、各事業者が独立性を保ったまま自発的に参加し、仕入れやノウハウ、情報などを共有する組織形態を指します。フランチャイズのように本部が運営の細部までを一方的に定め、加盟店がそれに従うことを前提とした構造とは異なり、共通のブランドルールを共有しながらも、各事業者の自律性と合意を重視したネットワークである点が特徴です(参照*8)。
つまり、統一運営の強さを取るか、参加事業者の自律性を取るかで、ふさわしい仕組みは変わります。加盟の目的に応じて選択肢を切り分ける視点が有効です。
フランチャイズのメリットとデメリット
- 本部側のメリット・デメリット
- 加盟店側のメリット・デメリット
加盟店側の利点は、確立された仕組みを利用できる点にあります。
加盟店はチェーンに加盟することにより、そのチェーンが持つ集客力・信用力を利用するとともに、本部事業者が構築したノウハウを活用できます(参照*3)。ゼロから事業を立ち上げる負担を軽減できる点が、加盟店にとっての価値です。
他方でデメリットもあります。学習塾の事例では、教室によって差が生じやすくなり、指導経験や教育業界の経験がゼロでもオーナーになれる仕組みの場合、教室のクオリティに差が生まれやすくなります。また、同じチェーン名でも、ある教室では成績が伸びず、別の教室では成績が向上したという声もあるとされています(参照*10)。加盟店側は、看板の力だけでなく、運営品質も確認材料になります。
契約前に押さえる法律と情報開示
- 中小小売商業振興法と法定開示書面
契約前の情報開示は、法律で義務付けられている場合があります。
フランチャイズ本部が小売業・飲食業の加盟店を募集する場合、いわゆる特定連鎖化事業に該当するときは、中小小売商業振興法11条により、契約締結前に法定開示書面の交付が義務付けられています。サービス業のフランチャイズには中小小売商業振興法の法定開示義務は適用されませんが、公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」では、すべての業種について同様の情報開示が望ましいとされています(参照*6)。
2021年(令和3年)の法改正では、「加盟者の店舗のうち、立地条件が類似するものの直近3事業年度の収支に関する事項」が新たな開示項目として追加されました。加盟希望者が出店を検討している立地と条件が似ている既存加盟店を選び、その店舗の過去3期分の収支データを開示しなければならないという内容です(参照*11)。開示書面は、契約判断の土台として1項目ずつ確認する必要があります。
独占禁止法とフランチャイズ・ガイドライン
独占禁止法の観点からも、フランチャイズには指針が示されています。
公正取引委員会は、令和3年4月28日に改正された「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」において、加盟店募集時の情報開示に関する詳細化、無断発注の問題の明確化、見切り販売制限の問題の明確化、24時間営業に関する協議拒絶の問題の明確化、ドミナント出店に関する事前協議の重要性の明確化という5つを柱に指針を示しました(参照*7)。
この改正は、本部と加盟店のトラブル要因とされてきた論点を整理した内容といえます。加盟希望者は、募集資料や契約書がこれらの論点にどう対応しているかを事前に確認する必要があります。
契約時の注意点と失敗例
- 売上予測・テリトリー・仕入先の確認
契約前に示される数値は、その根拠まで確認する必要があります。
加盟契約の前に本部が提示する売上予測・収支予測は、現実の成果を保証するものではありませんが、著しく楽観的な予測を意図的に提示した場合は、本部の説明義務違反として損害賠償責任が生じる可能性があり、福岡高裁平成18年1月31日判決などがその例として挙げられています。予測の根拠、すなわち類似店舗の実績データ等を必ず確認することが重要です。加えて、本部指定の仕入先からの購入を強制される場合、仕入価格が市場価格より高く設定されていないか注意が必要であり、独占禁止法違反である抱き合わせ販売や拘束条件付取引となるケースもあります(参照*6)。
売上予測、テリトリー保護、仕入条件は、加盟後の収益性に直結する論点です。数字と条件の裏付けを、資料と契約書の両面で照合する姿勢が求められます。
- 中途解約・違約金・競業避止義務
契約を終える場面のルールも、事前に確認が必要です。
加盟店側からの中途解約に高額な違約金が設定されている場合、事業不振時にも撤退できない状況に陥るおそれがあり、違約金条項は、残契約期間のロイヤリティ相当額を上限とするなどの合理的な設計になっているかを確認することが重要です(参照*6)。
さらに、多くのフランチャイズ契約では、契約期間中のフランチャイジーの競業行為が禁止され、契約終了後も一定期間において競業行為が禁止されるケースが多く、この場合の禁止期間は2年間とすることが多い一方で、契約終了後の競業避止義務が過度の制約にわたる場合には、公序良俗等に反して無効となる可能性もあります(参照*3)。契約の入口だけでなく、出口の条件まで確認しておくことが、加盟判断では重要です。
おわりに
フランチャイズとは、本部が持つ商標・ノウハウ・仕組みを、加盟店が加盟金やロイヤリティといった対価で利用し、統一チェーンとして事業を営む仕組みです。本部と加盟店は法律上は独立した事業者であり、独占禁止法や中小小売商業振興法など複数の法的枠組みが関わります。
加盟を検討する立場では、費目の内訳とロイヤリティ算定方式、法定開示書面の記載、売上予測の根拠、違約金や競業避止義務といった出口の条件までを、一連の判断材料として並べて確認することが重要です。仕組みの理解と契約条項の読み込みが、判断の出発点になります。
参照
● (*1) 行政書士ウィル法務事務所 - フランチャイズ契約書
● (*2) Kernel Consulting - フランチャイズ本部構築ロードマップ|0から50店舗を実現するには?
● (*3) 行政書士ウィル法務事務所 - フランチャイズ契約書の締結前に確認すべきポイント|加盟金・ロイヤルティ・違約金・競業避止を解説
● (*4) 南本町行政書士事務所(Minamihonmachi Administration Office) - フランチャイズ契約書作成|本部側のリスクを防ぐ契約設計
● (*5) J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] - フランチャイズの特徴とその仕組みを教えてください。
● (*6) 行政書士法人Tree - フランチャイズ契約書の書き方|ひな形・加盟金・ロイヤリティ・競業避止の記載例を解説
● (*7) 企業法務弁護士ナビ - フランチャイズにおける法律問題|本部と加盟店それぞれのイシューと弁護士の活用事例、実務上のポイントを解説|企業法務弁護士ナビ
● (*8) プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES - 車買取ハッピーカーズがフランチャイズチェーンから独自のボランタリーチェーンへ業態移行でブランドバリューの最大化へ
● (*9) L’Express Franchise - Franchisor, Franchisee Roles Explained
● (*10) こども教材プラス - 【やばい】スクールIEは夏期講習だけでもOK?やめたほうがいい?【料金が高い説】
● (*11) Kernel Consulting - フランチャイズを始めるなら必ず知っておきたい法律「中小小売商業振興法」と「フランチャイズ・ガイドライン」resources/e2a06143-
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